焦がれて





「え?俺に送ってってほしいって?もー!岡崎さんったら甘えん坊なんだから!ってことで俺も保健室行ってきまーす!」



「や、そんなことは…」


「よし!いくぞ!」




腕を捕まれ立ち上がった瞬間、後ろのほうでガタっと椅子を引いた音がした。





「お前サボりてーだけだろ?俺行くし。手。」



そこには厳しい面持ちでショウヘイ君を見つめる陸人の姿



私たち三人だけが立ち上がったことでクラス全体に神妙な雰囲気が流れる




「えー、せっかくサボれると思ったのにー」


そう笑うショウヘイ君の手は私の腕を掴んだまま




「手」


「あーはいはい!嫉妬深い男は嫌われんぞ!」


「うっせ、はげ」


ニヤケながら両手を上に上げたショウヘイ君にそれだけいうと陸人は教室を出て行ってしまった