焦がれて




『チャリで行く』


「何言ってんの!明日バイトなんでしょ?もう寝なきゃ!」



本当に来てしまいそうな勢いに慌てて止めに入る




『会いてぇんだろ?』


「な、それは会いたいけど!」


『だから行くって』



何気なしに放たれた少し気だるげではあるその言葉に、カーッと顔が熱を持つのが分かった




こんな人だったっけ!?甘すぎない?


今までこんな事なかったのに…



「とにかく!今日はいいよ!」


『ん』


「じゃあおやすみ」


『ん、おやすみ』



プツっと通話が切れて、大きくため息を吐いた