「それ読みてぇの?」


「うん、でも今日はお金持ってきてないからいいや」


「貸せ、買う」


「え!いいよ。本は自分で買うって決めてるの」


「…そ、なら出るか」


「うん、ありがと」



本をおいて入り口に向かおうと体を起こす




すると、品だしをしていた店員さんと目があう


「あ、」


久しぶりに見るその人に思わず声が出た





陸人が私を振り返ったことで我に帰る