焦がれて






なんにも考えられなくなった私は、気づけば教室を出ていた




はぁ、はぁ、息切れをしながら玄関のドアにもたれかかる



あ、れ?

いつの間にか家まで…



学校から家までの記憶が曖昧すぎて驚きを隠せない


ドアを開けて靴を脱ごうと屈む



そこで足元を見てあることに気付く




――スリッパのまま家まで帰ってきてしまった



足元を見つめる



普段無意識にできていることが、できていない



思い出なんて何一つない


それなのに、こんなにも、私の心は揺さぶられている



自分で思っていたよりも、ずっとずっと成長していた想い