「なっ…!!」
慌てた祐輔は、咄嗟に腕を引くけどピクリとも動かない。
「なんか…いろいろ面倒。アンタもう殺人者になっちゃいなよ」
まただ。
またあの恐怖を感じるクドの低い声。
どんな表情をしているのか、後ろ姿しか見えないから分からない。
けど、その声色からはどこか楽しさをかもし出しているように感じる。
『あ!!ちょっと、琴実ちゃん!?』
私はハナビシさんの制止を振り切って外へ飛び出していた。
それはダメ。それだけは…!!
ただ無我夢中でクドに駆け寄った。
そこまでするなら、私はまた籠の中でいい。
もう助けも求めない。
だからお願い!!


