「お待たせ。その子返してよ」 「来るな!!」 「いやいやいや、返してくれればいいだけの話じゃん」 「…交換条件だ」 「交換条件?」 「あの女を寄越せ」 「琴実ちゃん?」 一方では、間を詰められてしまった祐輔が美里を拘束しナイフをクドに向けていた。 それでもクドは、気にする様子もなく淡々と近づく。 そして、祐輔の腕を素早く掴むとナイフを自分の首筋につけた。