『あっ…』
唐突にハナビシさんはフロントガラスに目を向けて、声を出す。
「あっ」
つられるように私もそこに目を向けると、クドを追っかけ回していた男たちが復活したようだ。
そして、またクド目掛けて走り出してきた。
「げっ、また来やがった」
さすがにクドも気付いたようで、脱兎の如く逃げ出すとモエさんに向かっていった。
・・・・・かのように見えたが、モエさんの横をすり抜けて何故か祐輔に迫って行く。
男たちは、見事にモエさんに捕まり、行く手を阻まれていた。
実質、20人はいた男たちの相手を全てモエさんがした事になる。
ただ単に、凄すぎる。


