『クド。モエには無理だって。あいつが石頭なの知ってるでしょ』



「……いつかかち割ってやる」








2時ジャスト。


私たちは、なんとか予定していた時間に家から出る事が出来た。




外に出ると、玄関前に黒い大きな車が横付けされていてクドは躊躇なく助手席に乗り込んだ。




『琴実ちゃんも乗って』




後部ドアを開けてくれたハナビシさんに言われ、乗り込むと運転席にはモエさん。




「お邪魔します…」



私とハナビシさんが乗り込んだ事を確認すると車はゆっくりと走りだした。




車内には、柑橘系の香りが漂い、そして何故か誰もが聞いた事のある有名なアニソンがかかっていた。