『お待たせ。友達が待ってるから行こうか』



「…はい。」



ところで、あのハリセンは?



ハナビシさんに尋ねたかったけど、クドの瞳が獲物を捕らえるライオンのようだったので、黙っておいた。






クドは案の定、背を向けているモエさんに詰め寄りハリセンを素早く振り下ろした。




そして、静寂な空間にまたあの気持ちのいい高音が響いた。





「ざまー。思い知ったか!!あたしの華麗なるハリセンさばき」



直撃した後頭部に手を当て、衝撃で前のめりになった身体を元に戻すモエさん。



そのまま、何事もなかったかのように外へと出ていった。