「お前が大人しくし寝てればいい」
モエさんは、私が起きている事を知っているはずなのに、そんな事を言っている。
「モエが大人しく寝てろ。永眠でもすればいいじゃん」
「いい加減にしねぇと、ハナビシにどやされんぞ」
クドは昼間、ハナビシさんからモエさんに怒られると言われ、今度はモエさんからハナビシさんにどやされると言われ…。
クドは少々お転婆なようだ。
『ちょっと2人とも、何騒いでるの?』
ハナビシさんは、やれやれといった様子で階段を覗きこむ。
「ほら、みろ。モエが煩いからハナビシが来ちゃったじゃん」
「………」
『クド。来ちゃったじゃんじゃなくて鞄持って何処に行こうとしてるの?』


