『もうこんな時間だね。お腹空いてない?』
「いえ、大丈夫です。…あの、今何時ですか?」
お昼を食べて、ただ寝ていただけなのでお腹は空いていない。
この部屋に唯一時計があるとすれば、ハナビシさんとモエさんがしている腕時計のみ。
そう言えば、クドも腕時計をしていた。
この家には、時計はないのだろうか。
『ん?今は、21時8分だよ。モエは飯どうする?』
「…いらねぇ」
『まったく。モエもクドも食生活にだらしないから困るよ…』
まるで、お母さんのような口振りで肩を下げるハナビシさんは、ここではきっとそのままお母さん的存在なのだろう。
それにしても、今日は随分と寝ていたものだ。
こんなに寝たのはいつぶりだろう。
寝すぎで身体が重いくらいだ。


