「時間がない。行くぞ」 モエさんは、メモをポケットに入れながら重たそうなドアを押した。 そこから漏れだした光で一瞬目を細めれば、ドアの閉まる音と共に薄暗い空間へと戻った。 「ハナビシさんは行かなくて良かったんですか?」 『今回は留守番。って言ってもほとんどはあの2人が仕事してるんだけどね』 席に戻って来たハナビシさんは、2人の使っていた食器を簡単に重ねるとテーブルの端に置いた。