「全然起きないから、死んでるのかと心配しちゃったよ」



上体を引き上げながら、そんな事を言う知らない女の人。




「呼吸を確認しようと思って顔に耳を近づけようとした時に起きるんだもん。ビックリしたよ!!」




それは私のセリフだと思う。

驚いたのは、私も同じだ。




「大丈夫?気分はどう?」



私の身体をゆっくりと起こし背中を支え、空いている方の手で水の入ったグラスを差し出しそんな事を言う。



何が何だか分からない事が、現実で繰り広げられている。




グラスの中の水に反射しているもう1人の自分が情けない顔をして私を見ていた。