古びた鉄と鉄が擦り合う特有な音を響かせながら男は闇の中へと姿を消した。 今日はもう終わり。 今が何時かなんて分からない。 だけど、あの男が闇の中に消えていけば今日が終わったという合図。 次にあの男が光の中から現れたその時、それは今日という日の始まりを知らせる。 それまで、グッと硬く瞼を閉じておこう。 強い光で瞼が開かないように。 グッと…ギュッと…痛いくらいに閉じておこう。