『あー、クド。起きたついでにちょっとこっちきて』
そうだ、と思い出したかのように手招きするハナビシさん。
「んー?」
クドちゃんは沈んだまま動こうとはしないものの、返事はしっかり返す。
『昨日、クドが無理に連れてきたんでしょ?篠崎さん』
「……篠崎さん?」
背もたれから、にょきっと顔を出すクドちゃんと目があった。
「こ…こんにちは」
もしや、覚えていないとか?
不安だけが、脳裏によぎる。
「………、あっ、お姉さん」
若干の間があったものの、私の存在は覚えてくれてたみたいで取り敢えず一安心。
メニュー