バターの芳ばしい香りが部屋中に漂い、鼻をかすめる。



いい匂い…。



香りに誘われるように、閉じていた瞼をあげれば、見慣れない天井。



…あれ? ここ、どこだっけ?


昨日は・・・・・。




ズキッとする頭痛に顔を歪める。



そうだ、Barに行ってそれから…





『目が覚めましたか?』




この人に出会ったんだ。





「あっ、はい。おはようございます」



『おはようございます。と、言ってももうお昼ですけどね』




えっ…お昼!?



薄暗い部屋に光は入ってきていなかったから、また明け方くらいかと思っていた。