『それから、借金を背負わせて逃げている男も見つけだしましょう。この男の事はすぐに解決出来ると思いますよ』
もしかしたら、ハナビシさんも酔っぱらっているのかもしれない。
すぐに解決出来るだなんて、そんなの無理に決まってる。
『どうでしょう?』
「いや、あの、でも…お気持ちは嬉しいのですが…」
『冗談は言いませんよ。と、言っても今は混乱しているでしょうから、この話はここまでにしましょう』
ハナビシさんは、静かに立ち上がると飲み干してしまった私のカップにコーヒーを継ぎ足してくれた。
『嫌でなければ、今日はここに泊まっていって下さい。クドの言う通り野宿は危険ですから』
そう言ってハナビシさんは、私に毛布を渡してくれた。
寝るには申し分ないくらい広くて柔らかいソファ。
そのふかふか感とアルコールのせいもあって、睡魔が限界の所まできていた。


