そして何故か、私は今薄暗い部屋のソファーに座っていた。
『無理言ってすみません。どうぞ』
差し出された、コーヒーに口をつける。
機能が半分くらい低下した頭が徐々に回復していく。
さて、ここは何処なのでしょう。
一見、バーのような造りをした内装だけど営業しているわけでもない。
あれだけの量のアルコールが飲めるくらいだから、これは単にアルコール好きの趣味とでも言えなくもない。
『珍しいですか?』
「はっ、はい。まぁ…」
左右に忙しなく動く私の頭を見て、首が痛くなりますよっと、ハナビシさんはクスクス笑う。
『んーと、ご覧の通り、クドは使い物にならないので、差し支えなければ話を聞かせてくれませんか?』