「哲也ーーーー!おっはよーー!」
ドゴッという鈍い音とともに哲也は崩れ落ちそうになった。
「いってぇなぁ、急に後ろから蹴り入れるなよ。」
「何言ってんのよ、朝っぱらからシャキッとできない高校生くんに一括入れて差し上げただけですのよ。この金奏子(こがねかなこ)様に感謝なさい。」
「なんでお前はいっつもそう朝から元気はつらつ~な感じなの?」
哲也は腰を押さえながら言う。
「てか奏子、お前また寝坊しただろ?」
「は、は?電車には間に合ってんだから、これは寝坊って言わないの。」
「ったく、開き直るなよな。」
奏子は頬を赤らめる。
「てか、なんで分かったの?」
「髪にアイロン当ててないとこと、口に醤油ついてんのと、カッターシャツがしわっしわなとこと、言えばいくらでもありますがまだ言いますかい?」
「いえ、結構です。」
奏子は髪を手櫛で整え、口を拭い、カッターシャツを引っ張った。
哲也は呆れた顔で奏子を見つめる。
「奏子、そのヘアピン、妹のだろ?また間違えてつけてきたのか?」
「あ、ほんとだ!私ったらいっつも間違えちゃうなぁ、もう。あ!よく見ればこのブレスレットも妹のだ。」
哲也は再び、先ほど以上に呆れた顔で奏子を見つめる。
「なによー?」
奏子が睨み付ける。
「あ、てか、そろそろ電車やばくない?行こう!」
「あ、待てこら。」
2人は駅に向かって駆け出した。
