「こんなの初めてだ…。」
あたしは溢れる涙を抑えきれず膝を抱えて泣いた…。

「優歌ちゃん。入っても良い?」
数時間後、ノックの後で優歌さんは笑顔で部屋に入ってきた。
「……。」
あたしは優歌さんに背中を向けたままで横になっていた。
「あら?全部食べてくれたのね?」
土鍋の中身を見て、優歌さんは嬉しそうに笑う。
「お口には合った?優歌ちゃん?」
優歌さんは土鍋の蓋を閉めながら、あたしに聞く。
「お……。」
あたしは続きが言えず言葉に詰まった。
「え…?」
優歌さんはあたしをジッと見る。