『優歌ちゃん』
あたしは昨日逢った女の顔を思い出した
今までのヤツラと違って、笑顔で話しかけてきた女…
嬉しそうに『お姉ちゃんと呼んで』と言った
今までのヤツは絶対に言わなかった

今までと違うから、あたしはあの場所を逃げ出した
実の親さえ、あんな笑顔を向けてくれないから…

あたしはそう思うと悲しくなった…

「朝比奈?」
竹下に声をかけられ、あたしは我に返った
「なんでもねぇよっ
もう話ねぇんだろ?!
だったら行くぞっ」
「ああ…」
あたしは最後まで話を聞かずに職員室を出ていった