次の日の学校で、あたしは竹下に呼び出された

「朝比奈、昨日のお前の様子が変だぞ
何かあったのか?
何か悩みでもあるなら話してみろ」
「何もねぇよ!
昨日は、あの女が馴れ馴れしくて腹が立っただけだよっ」
(言えるわけがない…
きっとこいつは親父のことを知ったら、うちに来るに決まってる…
話せるかよっ)
あたしは、固く口を閉ざした
「……?」
竹下は暫くあたしの顔を見ていた
やがて諦めたかのように深く溜め息を吐く
「朝比奈、何を隠してるかは知らないが、話したくなったら俺のところへ来いよ
いつでも話を聞くから」

竹下の言葉にも、あたしは顔を反らしたままでいた
「…優歌が心配してたぞ…
何かあったんじゃないかって…」
「…!!
昨日逢ったばかりなのに、心配する必要あるのかよっ?!」
あたしは驚いて声を上げた
「優歌、本当にお前を気に入ってるんだぞ」
(気に入ってる…?
あの女が…?)