《楓香》

大阪って感じがするー!!

すごいね、お店並んでるし!!

もう、さいこーー!!


小走りにルンルンで歩いていると、奏太が呆れたように見ていた。

そんな顔しなくてもいいじゃない!


「なによーーー」

「いや、ルンルンだなぁって思って」

「わるいっ!?」

「いや、そんなに飛び跳ねてるとコケると思ってさ。」

「コケないよーーーっだっ」


そんな言葉をシカトして、歩いていると石が転がっていたのか、ほんとにコケそうになった。


「ほら、言わんこっちゃない。」


奏太が支えてくれたおかげで、なんとか転ばずにすんだ。

すごい、この人…

反射神経良すぎっ

すごいのは知ってたけど…


「なに、楓香、そんなにマジマジ見て」


整った顔が近づいてきて商店街の端に追い詰められてしまった。


「な、なんでもないよ??ほらっ、回ろうよ」

「たしかに、路上はまずいね。どっか行くか」

「そうだよ、どっか行こうよ」

「ん」


さりげなく、手をとられて歩き出した。

恥ずかしくって、下向いて歩いていると、


「慣れろよっ」


って笑われて軽くキスされた。

結局するんじゃんって思ったけど言わない方が身のためだから、そのまま従って歩いた。

路上チュウはまずいって言ったくせに…