続・君の隣~サッカーボールを追いかけて~

「大丈夫か?」


「うん」


私の涙が止まったころ、修斗が優しい声でそう聞いてきた。


それに返事をして修斗から体を離すと、私の顔を見て「目、真っ赤」と言って少し笑った修斗が、まだ涙の残る私の頬をそっと拭った。


「おいで、里穂」


「うん」


ソファに背をつけ、私に向かって手を広げる修斗。


その胸に飛び込んで、修斗の膝の上に座った。


「ずっと向こうにいるの?」


「いや。今向こうはシーズン途中だから、そのシーズンが終わるまで。とりあえず、半年の期限付き移籍」


「そうなんだ」


「このシーズンで結果出さないと、俺はクビ。またFCウイングに逆戻り」


そう言って修斗が、苦笑いを浮かべる。


「それでも、決めたんだね」


「ああ。いいチャンスだし、いってくる」