「ちょっとだけ手を止めて集まってくれるかな?新しい栄養士の子紹介するね」


川島さんの声に、女性3人が集まってくる。


「今日からここで働いてくれる、伊藤里穂さんです。こちらが、ベテラン調理師の佐藤さん。調理のことで分からないことがあったら、彼女に聞いてね。それから、こっちがパートの……」


川島さんが紹介をしてくれて、簡単に自己紹介を済ます。


「じゃあ、来てそうそうだけど、お昼作らないと間に合わなくなっちゃうから、早速働いてもらうね」


「はい!」


それから川島さんについてお昼ご飯を作り、昼食時は各教室を回って園児の観察、そのあとはおやつを用意して、落ち着いたときには疲れ切っていた。


「初日から疲れたよね~」


「はい」


「でももう少しだから頑張って。若いからすぐに慣れるわよ」


そう言った川島さんは私の肩を叩いて、アハハと笑う。


「でもよかった。次の子が来てくれて」


「川島さん、介護休暇に入るんですよね?」


「そうなの。あっ、そこに座って待っててね。今、資料用意しちゃうから」


「はい」