そう言って池谷さんは、持ってきた封筒から書類を何枚か取り出した。


「これが保育園の仕事内容ね。あとこれが、雇用条件」


その書類を受け取って、ざっと目を通す。


「とりあえず、半年でここに戻ってくることになってるけど、もしかしたら長引くかもしれない」


「じゃあ、最低半年ってことですね?」


「そう。少し考えてみてくれる?1週間以内に返事をしてくれればいいから。じゃあ私戻るね」


そう言って池谷さんは、先に会議室を出ていく。


保育園なんて、未知の世界だ。


大学時代の実習でも行ったことないし、友達にも保育園に就職した子がいないから、あまり話も聞いたことない。


保育園の仕事内容には、調理、献立作成、食育、その他会議などって書いてある。


「保育園っていったら、栄養士は一人だよね。しかも、アレルギー対策とかもしなきゃだし」


病院とかと違って、老人施設とか保育園は、基本的に栄養士が一人しかいない。


てことは、食事に関する責任は、すべて私が背負うってこと。


「出来るのかな、私で」


池谷さんが出て行ったドアを見つめながら、大きく息を吐いた。