「この病院の同じ法人に、老人施設や保育園があるのは知ってるわよね」
「はい」
私が勤めているこの病院は大きな医療法人で、様々な施設を展開している。
「実はそのひとつの保育園の栄養士さんが、来年1月から介護休暇に入るの。今のところ半年の予定なんだけど、募集かけてもそんなに短い期間じゃ働いてくれる人がいなくて。だからこの前の法人会議で、法人内で栄養士を回せないかって話になってね」
「はあ……」
いまいち言っていることがピンとこなくて、曖昧な返事になってしまう。
「で、うちが法人内で一番栄養士がいる施設なの。だから、ここから栄養士を一人回そうって話で。それで里穂ちゃん、あなた保育園は興味ある?」
「保育園ですか?あんまり考えたことなかったですけど……。って、私がそこに行くってことですか?」
池谷さんが言おうとしてることが分かって、ビックリしてしまう。
「もし興味があればって思ったの。もちろん、今の仕事に里穂ちゃんがいなくなっちゃうのは困るわよ。でももしかしたら、里穂ちゃんに向いてるかもって思って」
「向いてますかね?」
「私は、向いてると思うけどな。小児科回ってても、子供たちと同じ目線に立ててるし。病院より保育園はこじんまりとしてるから、ここより余計にスタッフとの人間関係が近くなる。でも里穂ちゃん、そういう人間関係を築くのも上手だから」
「そうでしょうか?」
いまだに自分の仕事に自信が持てていないから、池谷さんにそう言われてもよく分からない。
「嫌なら嫌って言ってね。ほかの子に声かけるから」
「はい」
私が勤めているこの病院は大きな医療法人で、様々な施設を展開している。
「実はそのひとつの保育園の栄養士さんが、来年1月から介護休暇に入るの。今のところ半年の予定なんだけど、募集かけてもそんなに短い期間じゃ働いてくれる人がいなくて。だからこの前の法人会議で、法人内で栄養士を回せないかって話になってね」
「はあ……」
いまいち言っていることがピンとこなくて、曖昧な返事になってしまう。
「で、うちが法人内で一番栄養士がいる施設なの。だから、ここから栄養士を一人回そうって話で。それで里穂ちゃん、あなた保育園は興味ある?」
「保育園ですか?あんまり考えたことなかったですけど……。って、私がそこに行くってことですか?」
池谷さんが言おうとしてることが分かって、ビックリしてしまう。
「もし興味があればって思ったの。もちろん、今の仕事に里穂ちゃんがいなくなっちゃうのは困るわよ。でももしかしたら、里穂ちゃんに向いてるかもって思って」
「向いてますかね?」
「私は、向いてると思うけどな。小児科回ってても、子供たちと同じ目線に立ててるし。病院より保育園はこじんまりとしてるから、ここより余計にスタッフとの人間関係が近くなる。でも里穂ちゃん、そういう人間関係を築くのも上手だから」
「そうでしょうか?」
いまだに自分の仕事に自信が持てていないから、池谷さんにそう言われてもよく分からない。
「嫌なら嫌って言ってね。ほかの子に声かけるから」

