次の日、私にも仕事で大きな転機が訪れた。


「里穂ちゃん、ある程度仕事終わったら、声かけてくれる?ちょっと話したいことがあるの」


「はい。分かりました」


池谷さんに声をかけられたのは、朝のカンファレンスが終わってからすぐ。


言われた通り、今すぐやらなくてはいけない仕事だけ終えて、池谷さんに声をかけた。


「じゃあ、ちょっと移動しようか。多分、会議室空いてたと思うから」


「はい」


なにか仕事で失敗したっけ?と思いながら、池谷さんの後をついていく。


「ごめんね、仕事忙しいのに」


「そんなことないです」


池谷さんが「座って」と言って、椅子を引き出してくれる。


「ありがとうございます」


お礼を言って、椅子に座った。


「あのね、さっそくなんだけど……」


真剣な顔をされて、なんだか緊張してしまう。