「やっぱりね～」


私の話を聞いたおばさんが、ため息をつく。


「やっぱりって？」


「私もね、ここ最近、修斗と連絡が取れないの。だから里穂ちゃんなら、修斗のこと知ってるかなって思って」


「え～何それ！修斗、おばさんにも連絡してないの？」


二人してため息をつく。


「試合には出てるから元気なんでしょうけど、ほら今世間ではいろいろ言われてるでしょ？移籍がどうとか」


「うん」


「やっぱりちょっと心配で、どうなのって聞きたいんだけど。家に行ってもいつもいないし、電話かけたってろくに返事はしないし」


そう言っておばさんは、自分用に入れたコーヒーを飲む。


「あの子、自分一人で決めて、海外に行っちゃうのかしら？」


「うん。修斗なら、一人で決めちゃうそうだよね」


「相談しろとは言わないけど、今何がどうなってるのかっていうのが分かれば、こっちも安心するのに」


「そうだよね。みんな、修斗のことが心配なのに」


そう言うと、「こんなにかわいい彼女ほったらかしてね～」と言っておばさんは私の頭をなでた。