時間になり、挙式が始まる。


ステンドガラスで彩られた教会に、麻衣子ちゃんが姿を現した。


「綺麗」


バージンロードを歩く麻衣子ちゃんに、思わずため息が出てしまう。


柔らかな生地を使ってふんわりと仕上げた純白のドレスはとてもキュートで、麻衣子ちゃんの雰囲気にぴったり。


「素敵ね~」


「はい」


隣にいる池谷さんも、私と同じようにため息をついている。


「池谷さんも、麻衣子ちゃんみたいなの着たんですか?」


「私はね、こういう風に式はしなかったんだ」


「へ~そうなんですね」


もっと池谷さんの話を聞いてみたかったけど、式の最中に話すのはよくないと思い口を閉じる。


「それでは、誓いのキスを」


神父さんの言葉に、麻衣子ちゃんのベールを新郎がめくる。


きらきら輝く光の中、二人は誓いのキスをかわした。