「てか今の状態じゃあ、里穂連れて行きたいなんて言えないよな。俺の親と里穂の親に怒られるわ」


「どうして?」


気持ちが明るくなったところで、またご飯を食べるのを再開する。


「そろそろケジメをつけなきゃってこと」


「ケジメって……」


修斗の言葉に、持っていたお箸の動きが止まる。


「俺だって、そろそろちゃんとしなきゃって思ってる。結婚とか」


「うん」


初めて修斗の口から、現実味を帯びた「結婚」という言葉が出てきた気がする。


「修斗のお嫁さん」


そうつぶやくだけで、顔中に笑みが広がってしまう。


「今更嫌だって言うなよ」


「言わないよ!私の夢だもん」


「そうかよ」


少し笑顔を見せた修斗は、ぐしゃぐしゃと私の髪をなでた。