「まあ、ウワサだよ。たまに正確じゃない情報載せられることもあるんだよ」


「じゃあ、全部ウソ?」


「まあ、全部とは言わないけど……。今はなにも言えない」


「そっか」


「今は」ってことは、何かしらそういう話があるってことなんだ。


きっと修斗の移籍は、もうすぐ……。


「なあ、里穂」


「ん?」


「もしさ、俺が海外に移籍するっていったら、お前どうする?」


ご飯を再開しながら、まるで世間話しをするかのように、修斗が私に聞いてくる。


「どうって……」


落ち着いている修斗とは対照的に、その質問に私の心臓は大きく跳ね上がった。


「ついてきたい?それとも、日本で働いていたい?」


「それは……」


とっさに言葉が出なくて、答えに詰まる。