「お疲れ様です」


午後もいろいろな仕事を終え、いつの間にか業務終了時間。


みんなが帰っていく中、私もパソコンの電源を落とした。


「里穂ちゃん!」


「キャッ!」


ロッカーに行こうと帰り支度をしていると、後ろから誰かに抱きつかれて思わず声が出てしまった。


「もー麻衣子ちゃん。ビックリしたよ」


「ごめんごめん」


ふふふっと笑った麻衣子ちゃんが、私から離れる。


「帰ろ~」


「あっ、今日は日勤?」


「そうだよ」


麻衣子ちゃんは厨房で働く栄養士だから、早番・日勤・遅番の3勤務をこなしている。


朝昼晩3食作らないといけないから、本当に大変だと思う。


椅子から立ち上がり、麻衣子ちゃんと一緒にロッカーに向かう。