「今日は遅かったね」


「うん」


テレビを見つつ、お母さんと話をして、ご飯を食べる。


「あっ、そうだ。お母さん明日、久しぶりに友達と会うの。だから、夕ご飯の支度頼んでいい?」


「えー私仕事だもん」


「たまにはいいじゃん。お母さん仕事で疲れてるんだし」


「私だって疲れてるのに」


ポツリと呟いて、またご飯を食べ始める。


「若いんだから、いっぱい働きなさい」


「もう疲れた」


「何言ってるの。まだ働き始めたばっかりじゃない」


そう言ってお母さんは私の頭をポンポンとして、お風呂場に向かった。


「分かってるもん」


まだまだ働き始めたばかりで、この仕事の良さなんて全く分かっていないことも。


続けなきゃ、何にも見えてこないことも。