「ううん。なんでもない。試合頑張ってね」


『おう』


電話からでも伝わってくる、修斗の自信に溢れた声。


今の私とは正反対で、余計に悲しくなった。


「あーダメだダメだ」


いつまでも落ち込んでても仕方ないと思い、頬をパンパンと叩いてみたけど、気分は落ち込んだまま。


「仕事、辞めたいな」


辞めたって何もいいことはないのに、そんな言葉が口から出てくる。


「とにかく帰ろう」


早く病院から離れてしまおうと思って、車を発進させた。


「ただいま」


「おかえり。ご飯食べるでしょ?」


「うん」


家に帰るとお母さんが迎えてくれて、ご飯を食べるか聞いてくる。


それに返事をして、着替えをするために自分の部屋に向かった。