「はーなんかあっという間だったね」


「うん」


前半が0-0で終わり、おばさんと一緒に息を吐く。


隼斗君とおじさんは、ジュースを買いに行くと言って売店に行ってしまったから、今はおばさんと二人きり。


「修斗すごいね」


「まあ、サッカーをする集中力は、昔から誰にも負けてなかったからね。里穂ちゃんだってすごいじゃない。管理栄養士の資格取るの、大変だったでしょ」


「私はただ、勉強してればよかったから」


「でも一人暮らしで家事もバイトもして、おばさん、本当に里穂ちゃんは頑張ってたんだなって思ってたのよ」


そう言っておばさんは、私の頭をなでてくれる。


「ありがと、おばさん。お父さんもお母さんも、あんまり褒めてくれないから、そう言ってもらえて嬉しい」


「あら、褒めてくれないの?」


「だって二人とも、私より難しい国家試験を突破してるでしょ。管理栄養士なんて、受かって当たり前、みたいに思ってたんだよ」


「厳しいね~じゃあおばさんが、いっぱい褒めてあげる」


「うん。褒めて」


そう言うと、おばさんは、ギューッと私を抱きしめてきた。