「すごい人だね」


「ほんとね。こんなところで修斗がやるなんて……」


スタジアムを埋め尽くす人を見て、おばさんが感動している。


「兄ちゃんすごいよな。日本代表だもん。しかも先発だし」


「隼斗君だって頑張ってるじゃん。高校も大学もバレーの強豪校行って、レギュラーでプレーしてるし」


「まあ、兄ちゃんには敵わないけど、俺なりに頑張ってるよ」


そう言って隼斗君は、少し照れたように笑った。


しばらく修斗の家族と話をしていると、選手が入場してきた。


「修斗、かっこいい」


ブルーの日本代表ユニホームに身を包み、他の選手と一緒に堂々とスタジアムに入ってくる修斗。


国歌斉唱が終わり、いよいよ試合開始。


選手がエンジンを組み、それぞれのポジションに広がった。


審判がホイッスルを鳴らし、相手チームのキックオフで試合が始まった。


今日の相手は、日本代表よりランキングが下のチーム。


それでも少しでも油断したら、勝つのは難しいと思う。