「キャーそれって漫画の話みたい」


「そっそうですか?」


急にテンションが上がった先輩たちに、ちょっとだけ困惑する。


「そんなに長い間一緒にいるのに、飽きないの?」


「飽きないですよ」


「もーノロケちゃって」


「ノロケてないです!」


ハハハっと笑った先輩たちは、私に「お疲れ」と声をかけて部屋を出て行った。


「ノロケてた?そんなことないよね」


でも修斗のことを話すときって、本当に幸せな気持ちになっちゃう。


修斗とちょっとでも一緒にいる時間があると、それだけで私の力になるし、それだけで幸せな1日を過ごせる。


「単純なのかな、私って」


だからみんなにバレちゃうほど、幸せオーラ?を出してるのかな。


「でも単純でもいいや。だって、幸せだもん」


そう呟いて、誰もいなくなった栄養課の電気を消し、更衣室に向かって歩き出した。