「おはようございます」


更衣室で着替えをしている人に声をかけ、自分のロッカーを開ける。


病院の制服であるポロシャツとズボンに着替え、その上から白衣を羽織る。


白衣の胸元についているポケットに名札をつけて、準備完了。


ロッカーに鍵をかけて、仕事場所である栄養課に向かった。


「おはようございます」


「おはようございます」


栄養課のドアを開けて声をかけると、先に来ていた管理栄養士さんや栄養士さんたちが返事をしてくれる。


この病院には、私を含め5人の管理栄養士と4人の栄養士がいる。


管理栄養士は主に病棟に出て、ドクターやナースと一緒に直接患者さんに関わる仕事。


栄養士は厨房で調理師さんと一緒に、何も制限がない普通食から病気によって制限のある療養食を作る仕事をしている。


私も最初は、厨房に入って調理の仕事をしていた。


実は管理栄養士の合格発表は5月で、それまでは栄養士の資格しかないから管理栄養士の仕事は出来ないの。


だから合格が分かるまでは、厨房の仕事をするってわけ。


でもうちの病院は、提供している食事を理解してから病棟に立つっていう決まりがあるから、最低でも半年は厨房で調理をして、徐々に管理栄養士の仕事に移っていくっていう流れになっている。