それでも優勝を目標としていた修斗は、相当悔しかったみたいだけど。


「体力的に、あと何年出来るか分からない。だけど最後まで、サッカーに打ち込みたい」


「うん。修斗がそう決めたなら、私は何も言わないよ」


「ありがとな、里穂」


そう言って修斗が、私の頭をなでる。


「最後まで修斗のサッカー人生、私に支えさせてね」


「もうずっと前から、里穂がいなきゃ、俺のサッカー人生は成り立ってないから」


そう言って顔を赤くした修斗は、プイッと私から顔をそむけた。


「ねえ、修斗」


「ん?」


「選手人生が終わったら、次の夢とかあるの?」


「あるよ。まずは監督が出来るライセンス取って、高校生とか教えたい。それからJリーグの監督やって、最終的には日本代表の監督やりたい。選手ではワールドカップ優勝出来なかったから、監督で優勝する」


夢を語る修斗は、いつも目をキラキラさせている。


私は修斗のこの目が、すごく好き。


「里穂は?なにかやりたいことある?」