その足音に耳を澄ませていると、こっちに向かっている途中でドテッと転ぶような音がした。


「あっ果穂のやつ、また転んだ」


凱斗がため息をついて、廊下に出て行く。


「ふふっ。ほんと凱斗は修斗にそっくり」


凱斗は生まれたときから運動神経がよくて、修斗そっくり。


反対に果穂は、運動神経はイマイチだけど勉強は出来て、私そっくり。


いつも凱斗が果穂の面倒を見ていて、まるで小さいころの私たちを見ているみたい。


「果穂、転んだの?大丈夫だった?」


凱斗に手を引かれてリビングに戻ってきた果穂に、声をかける。


「お母さん……」


私の顔を見た途端泣き出すから、果穂をギュッと抱きしめた。


「もう、果穂は泣き虫なんだから」


「だって~」


「泣くなよ、果穂」


そう言って凱斗も、果穂の頭をなでる。