その途中でお父さんに会って、話しながらリハビリをする部屋に向かった。


「ねえ、お父さん。修斗のリハビリ順調?」


「順調だよ。高校のときより頑張ってるからね」


「当たり前だろ。てか、前よりリハビリ内容ハードだし」


「当然じゃないか。なんせ今は世界で活躍するサッカー選手だからね。厳しくて当たり前。もっと権威のある理学療法士もいるなか、お父さんを選んでくれたんだから、修斗君の足は責任もって治すよ。早く治ってもらわないと、里穂も子供も路頭に迷うことになるからな~」


そう言ってお父さんは、アハハと笑う。


「じゃあ先に行ってるよ」


「はい。すぐ行きます」


「急がなくていいよ。こっちも準備があるから」


「じゃあ」と軽く手を挙げて、お父さんは足早にリハビリ室に入っていく。


「里穂、そこのラウンジで待ってるか?」


「うん。りんごジュース飲みたい。ダメかな?」


「いいんじゃない。体重管理もいい感じだって、先生褒めてたし」


ラウンジまで、修斗に寄り添ってもらいながらゆっくり歩く。


椅子に座らせてもらってホッと息を吐くと、目の前に自動販売機で買ったパックのりんごジュースが差し出された。