「手術とリハビリ、日本で受けられない?」


『えっ?』


私の言ったことに、修斗が驚いた声を出す。


「本当は、私が今すぐそっちに行って、修斗を支えたい。でも、今はこの子たちのこと考えたら、そういうわけにはいかないから」


『うん』


「だから修斗が、こっちに戻って来て」


『なんだよ、それ。ワガママだな、里穂は』


電話の向こうから、今日初めて修斗の笑い声が聞こえた。


「ワガママだよ、私は。ねえ、修斗」


『ん?』


「怪我してラッキーってことはないけど。今回はそう思うことにしよう」


『なんで?』


そっとお腹に手を置いて、修斗に話しかける。


「半年っていったら、この子たちが生まれるときでしょ?きっと神様が、今は奥さんと子供たちの傍にいなさいって言ってくれたんじゃないかな?」


『神様か……』