「気をつけて帰れよ」


「分かってるよ。さっきから修斗、それしか言ってない」


「里穂ひとりでも心配なんだからしょうがないだろ」


そう言って修斗は、盛大にため息をつく。


「大丈夫だよ。無理はしない。だって私、二人のお母さんになるんだもん」


「そうだな」


最初に病院に行ったとき、私のお腹の中には二人の赤ちゃんがいることが分かった。


初妊娠で双子ということもあって、修斗やお互いの家族と話し合って、私は日本に帰ることにした。


そして数日前、病院の先生から飛行機に乗る許可をもらった私は、今日これから日本へ帰る。


妊娠中は、修斗の実家でお世話になることにした。


私の実家でもよかったんだけど、私の親は仕事で家を空けることが多いから、専業主婦でお家にいることが多い修斗のお母さんに傍にいてもらうことにしたの。


「修斗こそ、一人で大丈夫？ちゃんとご飯作れる？」


「俺は大丈夫だから。里穂こそ、辛かったらちゃんと母さん頼れよ。何かあったらちゃんと連絡して」


「うん。分かった」


修斗と離れる不安は大きいけど、お母さんになるんだからそんなこと言ってられないよね。