「おめでとう。妊娠してるわよ」


診察室に入ってすぐ、女医さんにそう言われる。


「赤ちゃん……」


「ここではちゃんした検査は出来ないから、産婦人科を紹介してあげるわ」


「あっはい。ありがとうございます」


産婦人科を紹介してもらって、診察室を出る。


「里穂?」


診察室を出ると、心配そうな顔をして私を待っていた修斗と目が合った。


「なんだって?」


「あの、あのね……」


なかなか話さない私にしびれを切らしたのか、修斗がソファから立ち上がって私の肩をギュッとつかむ。


「赤ちゃん」


「は?」


「赤ちゃん、ここにいるって」


自分のお腹にそっと手を置くと、修斗の目が大きく見開かれた。