「なんか食べたいものは?」


「いらない。気持ち悪いもん」


「そう言ってお前、りんごゼリーしか食べてないじゃん」


「だって欲しくないもん」


ここ1週間、私は修斗の作ったりんごゼリーしか口にしていない。


ていうか、なんかそれしか食べたくないの。


「いい加減、病院行けよ」


「うーん。大丈夫だよ」


「大丈夫じゃないだろ」


心配そうに私を見つめる修斗の手を、そっと握る。


「りんごゼリー食べたい」


「ん。分かった」


「あと、早く帰って来てね」


「分かった」


そう言って最後に私の頭をなでた修斗は、練習に出かけて行った。