「里穂、俺もう行くぞ」


「んっ。もうそんな時間?」


修斗と結婚して、3年がたった。


私たちは相変わらずドイツで生活していて、修斗もボアシルで中心選手として活躍している。


ボアシル2年目のシーズンは、優勝という素晴らしい成績を残した。


修斗もレギュラーとして全試合に出場し、得点も決め、チームの優勝に貢献した。


そして日本代表としても、修斗は活躍している。


代表の試合があれば日本に帰り、その3日後にはボアシルに合流して試合に出るというハードスケジュールのときもあるけど、怪我なく1年を終えることが出来た。


そして今シーズンも始まって1か月たつけど、ボアシルはもうすでに首位に立っていた。


今シーズンも修斗はレギュラーで試合に出ていて、この前の試合で得点も決めた。


「大丈夫か、里穂」


「う、ん」


そんな風に好調な修斗とは正反対で、私は1週間前から体調を崩していた。


「熱は、そんなにないか」


修斗の手が、私のおでこに置かれる。