「修斗も綾香も、相変わらずいじわるなんだから」


二人の言葉にむくれていると、修斗が私の頭をポンポンと叩く。


「まあ、心配は心配だけど。俺だって遠征行ったりして、家開けることもあるし。でもまあ、向こうの生活に慣れるのも早かったよな、里穂」


「うん。快適だよ、ドイツの生活」


「修斗君もいるし？」


「うん！それが一番幸せ」


綾香の問いかけに、満面の笑みで答える。


そしたらその場にいたみんなに、ため息をつかれた。


「相変わらずね、里穂」


「うん、なにが？」


「修斗君、これからも頑張ってね」


そう言って綾香は、修斗の肩をパンパンと叩いた。


「なんで修斗が頑張るの？てか、なにを頑張るの？」


「里穂は知らなくて大丈夫。修斗君が、里穂のこと守ってくれるからね」


よく分からなかったけど、綾香の言葉にうなずいておいた。