「でも、結婚式の準備って大変だね」


「そうだな。特にお前、母さんたちの人形になってたからな」


「まあね」


年末年始に日本に帰ったとき、私と修斗は急いで結婚式の内容を決めた。


ドレスを選ぶときに私のお母さんと修斗のお母さんを連れて行ったんだけど、お母さんたちがドレス選びにはまっちゃって、何着も何着も着せられた。


しまいには和装もいいんじゃないと言い出して、着物にも手を伸ばしたっけ。


結局、修斗が「里穂の好きなやつ着せてやれよ」って言ってくれて、なんとかドレスも決まった。


真っ白い純白のドレスと、お色直しはシルクを使ったピンク色で胸元にお花が散りばめられたかわいいデザインのものにした。


「ねえ、修斗。今日の私、綺麗?」


「今までで一番綺麗だよ」


そう答えた修斗は、照れているのか私から顔をそむけた。


「修斗は、今日もかっこいい」


修斗は今、シルバーグレーの上品なタキシードを着ている。


「……トイレ行ってくる」


私の言葉にますます顔を赤くした修斗は、そう言って部屋を出て行ってしまった。