ドイツ語はまだまだだけど、簡単な会話とジェスチャーで買い物は出来るから、特に不便はしてない。


まあ読み方はまだ分かんなくて、戸惑いことが多いんだけどね。


街に出ると、ボアシルのショップがあったり、ポスターが貼ってあったりする。


ショップに入ってユニフォームを見ていると、店員のお姉さんが「シュウトのユニフォームが一番売れてるわよ」と教えてくれた。


「修斗、やっぱり人気なんだ」


たったそれだけのことで気分がよくなって、今日の夕ご飯はいつもより一品多く作っちゃおなんて思った。


最初は不安もあった生活だったけど、暮らしてみれば何とかなるもので、毎日快適に過ごせている。


修斗が好調をキープしてるってことも、今の穏やかな生活につながっているんだと思う。


「私ももっと頑張ろ」


修斗が怪我しないように、もっと活躍できるように、私が出来ることは精一杯やろう。


二人の生活は、まだ始まったばかり。


きっとこれから、楽しいことばかりじゃなくて、つらいこともあると思う。


そこも乗り越えて、本当の夫婦になっていくんだよね。


「よし、帰ろう!」


これからなにがあっても二人で乗り越える決意を新たにして、家に帰る道のアスファルトを踏みしめた。